書く書く しかじか

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コンラッド東京 アフタヌーンティー 海よ緑よ 広がる景観プライスレス

ヒルトングループのナンバー2

 

コンラッド東京アフタヌーンティーに出かけます。

 

コンラッド東京は、港区・汐留地区の東京汐留ビルディング(住所は東新橋1丁目)の28~37階に入居しています。JR新橋駅から徒歩5分強、ゆりかもめ汐留駅は直結です。東京汐留ビルディングソフトバンクグループの本社が入居していることでも知られています。

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コンラッドの名称は、ヒルトン創業者のコンラッドヒルトン氏のファーストネームに由来します。2018年6月時点で13あるヒルトングループのブランド(ヒルトン、キュリオ・コレクション、ダブルツリー、エンバシースイーツなど)のうち、コンラッドは上から2番目の高級路線に位置づけられています。ナンバーワンのブランドについては、この記事の最後で触れることにします。

 

 

地上145メートルから望む浜離宮恩賜庭園

 

さて、コンラッド東京に入ります。まずは、エントランスから入ってすぐに目に入ってくる赤色のオブジェ。

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アフタヌーンティー会場は、ロビーフロアがある28階のバー&ラウンジ「トゥエンティエイト」。フロア階数がそのまま名称になっています。ホテルスタッフによると、28階は地上145メートルとのことです。

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案内された席です。アフタヌーンティーの予約客は、窓際をあてがわれることが多いようです。

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窓から見える景色。すぐ下に浜離宮恩賜庭園が広がります。豊かな緑、月島地区の高層マンション群、そして東京湾を一望できる素晴らしい景観です。

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同じ写真ですが、浜離宮の先を拡大してみました。クレーンが多く立っている場所は、東京五輪の選手村建設地の晴海です。14~18階建ての21棟が建つ予定で、その土台部分が形となって見えるようになってきています。ちなみに、五輪終了後はマンションに改装し、加えて50階建てのタワーマンション2棟を新設する計画になっています。選手村跡地だけで計5650戸。巨大なマンション群になり、学校の整備など様々な課題が持ち上がってきそうです。

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お台場方面。フジテレビ社屋が見えます。

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平日と土日で違う飲み物のシステム

 

アフタヌーンティーのメニューです。

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18年5月1日~6月30日は「苺・ロイヤルウエディング アフタヌーンティー」というメニューの提供です。その名の通り、5月19日に結婚式を挙げた英ヘンリー王子とメーガン妃を祝して企画されたとのことです。

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スイーツとセイボリーの一覧。

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選べるティーの種類が多く、シャンパンが付いている「デラックス」は値段が高くなります。また、コンラッド名物のマスコット「コンラッドベア」が付いたセットにすると、1,000円プラスになります。

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コンラッドベア、ショップで買うとやや割高


これがコンラッドベア。ちりめんでできています。「CONRAD TOKYO」の文字が入った赤いリボンが何ともおしゃれ。チェーン付きで、頭から足先まで10センチほどの大きさです。ちなみに、同じ28階フロアにあるショップでもコンラッドベアは売っていますが、そちらで買うと税込み1,404円です。どうしても欲しいという人は、アフタヌーンティーで手に入れた方がお得ということになります。

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メニューの続き。通常のアフタヌーンティーで注文できる紅茶やコーヒーなどの一覧。コンラッド東京アフタヌーンティーは、平日は2時間制で、飲み物は何種類でもおかわり可能ですが、土日祝日は1種類しか選べないシステムになっています。

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追加料金を払ったら注文できる紅茶などの一覧。

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取り皿。ビレロイ&ボッホです。これまで個人的に訪れた店で振り返ると、六本木ヒルズラ・メゾン・デュ・ショコラもビレロイ&ボッホを使っていました。

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ナイフやフォークは、イタリアのカトラリーメーカーのサンボネ。

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ガラスプレート1枚に

 
さて、紅茶です。ティーポットではなく、カップに注がれた状態で運ばれてきました。個人的にこれまで訪れたホテル系のアフタヌーンティーは全てティーポットで出てきていたので、こういう形もあることを今回初めて知りました。平日に来店して何種類も飲んでみたいという人にとっては、ポットで出されるよりもありがたいシステムと言っていいかもしれません。

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レーズンスコーンとプレーンスコーン。

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クロテッドクリームとオレンジマーマレード

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さて、これが苺・ロイヤルウエディング アフタヌーンティーのスイーツとセイボリーになります。写真は2人分です。3段トレーの形式ではなく、1枚のガラスプレートに乗せて提供されます。誕生日などの記念日には、要望に応じてこのようなチョコレートのメッセージプレートを付けてくれます。

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それぞれ拡大で見ていきます。手前左はフレッシュストロベリー”サムシングブルー”。同右は苺とベリーのサマープディング

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真ん中左はレモンタルト。同右はオマール海老とフレッシュ苺のスモーブロー。

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真ん中左は、いちごのチョコレートカップケーキ。同右は、ビーフショートリブのシェパーズパイ。

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左はローズと苺のジュレ。右は帆立貝のスモークと苺のスキュワー。

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スイーツ・セイボリーの量は少なめ

 

ごちそうさまでした。コンラッド東京アフタヌーンティー、堪能しました。

 

さすがはヒルトングループの上位ブランドとあって、スイーツもセイボリーも手が込んだものが出てきます。味にも見た目にもガラスプレートへの配置にも、きちんとした意図が感じられるのが、最も素晴らしいと思った点です。

 

たとえばガラスプレートの手前から順に食べていくとすると、似た味が続くことはありません。ホワイトチョコレートがかかった甘いフレッシュストロベリーの右隣は、酸味のあるベリーのサマープディング。3列目、甘いいちごのチョコレートカップケーキの隣には、あえて味付けを濃い目にした(と思われる)ビーフショートリブのシェパーズパイといった具合に。そして、写真を見てもらえば分かるかと思いますが、イチゴがジグザグに配置されていて、色味のバランスもとてもよく計算されています。見て良し、味わって良しの優れたセットになっていると感じました。

 

一方で、量に関して言うと、少なめです。スイーツとセイボリーを合わせて8品は、これまで個人的に訪れた同じ価格帯のアフタヌーンティーの中では最少です。スコーンも最も小ぶりでした。小食の女性にはちょうどいいくらいかもしれませんが、ある程度しっかり食べたいと思っている人はきっと物足りなく感じるでしょう。

 

飲み物は先に触れたとおり、平日は紅茶やコーヒーなどで23種類を注文することができますが、土日祝日は1種類のみです。その点も加味すれば、コストパフォーマンスがいいアフタヌーンティーとはお世辞にも言えないと思います。

 

コンラッド東京にあって、同じ価格帯のホテルにないものを考えてみると、やはり海が見られる眺望でしょうか。リッツカールトン東京やパークハイアット東京は、フロアの高さそのものはコンラッド東京より上ですが、そこから広がるのはビルと住宅の果てしない広がりです。その点、コンラッド東京には、東京湾浜離宮恩賜庭園があります。好みの問題は別にして、ここでしか見ることができない独自の長所を持っているのは間違いないでしょう。

 

もうひとつ強みを挙げるとすると、コンラッドベアとなるでしょうか。マスコットを売りにしている高級ホテルは、知る限りではここだけです。ちまたでは、各国のコンラッドに宿泊して、コレクションしている人がいるようです。なかなか戦略的なプレゼントでありますが、思い出として残しておくにはいいかもしれません。

 

ヒルトンのトップブランドの今

 

最後に、ヒルトングループのナンバーワンブランドについてです。最上位ブランドには、ウォルドーフ・アストリアが位置づけられています。もともとはニューヨークの超名門ホテルで、1949年にコンラッドヒルトン氏が買収しました。その後、2005年からヒルトングループの最上位ホテルをウォルドーフ・アストリアの名称を冠して展開するようになりました。ヒルトングループの公式サイトによると、18年6月時点で、世界に30軒あります。マリオットグループにおけるザ・リッツ・カールトンの存在に似ていると言えるかもしれません。

 

ウォルドーフ・アストリアは日本への展開はまだありませんが、日経新聞が17年6月にヒルトン幹部の発言として報じたところによると、20年にも東京で開業し、その後、都市部やリゾート地にも広げていくとのことです。

 

ただし、その報道以後、ヒルトンから公式発表は出ておらず、具体的な開業時期や場所なども報じられていません。何らかの方針変更があったか、はたまた事業を進める上で何らか問題が生じているのか、いずれかの可能性が考えられると思います。

 

本家のウォルドーフ・アストリア・ニューヨークは、2014年にヒルトングループから中国の保険大手、安邦保険集団に19億5000万ドルで売却されました。運営はヒルトングループが100年間行うことで合意しているとのことです。

 

屈指の名門ホテルが中国企業の手に渡るという事実は、米で衝撃的なニュースとして受け止められたに違いありません。産経新聞の報道によると、米国務省は毎年9月の国連総会シーズンに、ミーティングなどの拠点としてウォルドーフ・アストリア・ニューヨークの2フロアを利用していましたが、中国企業に売却されたことをうけ、別のホテルに変更したとのことです。同省は理由について明言していないとのことですが、盗聴などの懸念がぬぐえないためとみられています。

 

米国内で一躍名前が広まった安法保険集団ですが、その後スキャンダルに見舞われることになります。創業トップの呉小暉氏が652億元の保険料をだまし取ったなどとして、中国の保険監督当局は17年6月に同氏を拘束、18年2月に起訴し、一連の問題を受けて、当局は同社の経営を19年2月までの1年間の期間で引き継ぐことを発表しました。つまり、ウォルドーフ・アストリア・ニューヨークは現時点で、中国の国有ホテルということになります。呉氏は18年5月、日本の地裁に当たる裁判所から、詐欺などの罪で懲役18年判決を受けています。ちなみに、呉氏はかつての中国の最高権力者、鄧小平氏の孫娘と結婚したと報道されています。

 

ウォルドーフ・アストリア・ニューヨークは現在改装中で、20年にリニューアルオープンするとのことです。美しく生まれ変わることは結構なことですが、現在の状況を考えると、米当局や政界関係者が利用を再開することは、難しいと言っていいでしょう。各国首脳会談の会場としても登場するような華やかな舞台だっただけに、残念な話ではあります。

 

 

以下は、過去に味わったアフタヌーンティーの記事です。