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旅行記、食べ歩き、スポーツ、書評などなど、赴くままに書き連ねるブログ。

バージ アル アラブ アフタヌーンティー 贅を極めた7つ星ホテル 海上200メートルの異世界 ドバイ旅行記 12

 ドバイの7つ星ホテル、バージ アル アラブのアフタヌーンティーに出かけます。どんな飲食で、もてなしてもらえるのでしょうか。細かく見ていきます。※ 2018年10月時点。1ディルハムAED)=31円で計算。

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無料のバギーでアクセス

 公式ホームページでの予約方法については、別ページにまとめました。詳細を知りたい方はリンクを張りましたので見てみてください。

  

 われわれはバージ アル アラブと同じジュメイラグループのアル カスル マディナ ジュメイラに宿泊しました。マディナ ジュメイラにある4つのホテルの宿泊者は、バージ アル アラブまで無料のバギーで連れて行ってもらうことができます。バージ アル アラブはマディナ ジュメイラの敷地を出てすぐの海上に建っているので、距離的に遠くありません。下の写真は、アル カスルのバギー乗り場です。スタッフがこの場に必ずいるので、行き先を告げて、バギーを呼んでもらいます。バギーは予約不要です。

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 バギーでビーチ沿いの道を走ります。バージ アル アラブの姿が、少しずつ大きくなっていきます。

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 マディナ ジュメイラの敷地を出ると、すぐ右手にバージ アル アラブのゲートが目に入ります。外部から来る人も、マディナ ジュメイラからアクセスする人も、ここで予約の有無をチェックされます。予約時に受け取ったメールを見せるのが最も手っ取り早いので、スマホなりタブレットなりを持って行きましょう。もちろん、プリントアウトした紙でもオッケーです。

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 予約のチェックを終えて、バギーで再び出発。海上のバージ アル アラブへ続く一本橋を渡ります。

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 バージ アル アラブの人工島は、砂浜から100メートルほど離れた海上に浮かびます。下の画像はグーグルマップで距離測定したものです。

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 「バージ アル アラブは砂浜から280メートル離れた場所に建つ」という情報が日本語、英語問わずインターネット上にあふれていますが、これは砂浜の最も陸地寄りの部分から、バージ アル アラブの建物の中心付近までの距離です。橋の海上部分の長さが280メートルという意味ではないので、誤解しないようにしましょう。

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 間近で見ると、印象は随分と変わります。手前に張り出した膨らみが想像以上に大きく、のしかかってくるような威圧感があります。高さは321メートル。ダウ船(アラビア伝統の船)の帆を模したデザインということですが、とてつもない大きさの帆です。

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 車寄せには何台ものロールスロイスが駐車してあります。客の出迎え用に利用されています。

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 ロゴをデザインしたプレートが入り口にあります。

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 回転ドアを抜けて入ります。

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高さ180メートル 世界一の吹き抜け

 回転ドアを抜けると、真っ先に目に飛び込んでくるのが正面に設けられた滝です。水が空中に噴出され、幾筋もの放物線を描いています。

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 上を見上げると、吹き抜けになっています。ここは、まさに圧巻です。高さが約180メートル(590フィート)あり、意外と知られていないようですが、アトリウムの高さとして世界一です。湾曲した各フロアの天井が、紺色から黄色へグラデーションを描くことで、視線が下から上へ少しずつ上がっていって、天井へと吸い込まていきます。

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 アトリウムの形状は三角形。四角い吹き抜けならどこにでもありますが、三角形となると、個人的には初めて見ました。 

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 内部から見た正面側の帆の部分。太い柱が渡され、建物を支えています。

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 アトリウムの1階部分。皮張りのソファがいくつか置かれています。

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 壁に掛かる金色のロレックス。壁時計でロレックスは初めて見ました。

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  エスカレーターで1つ上のフロアに上がります。エスカレーターはアトリウムの両サイドに1基ずつ設置されており、それぞれ壁面に水槽が設けられています。エスカレーターで移動しながら、多くの魚が泳いでいる光景を見ることができます。

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 エスカレーターで上がった先のフロア。

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 上のフロアから見た滝。こちらの方が水の噴出がよく分かります。

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 原色に近い赤のソファは、やはり目を引きます。両サイドがくるっと巻いてあって、面白いデザインです。

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値段は1人20,000円 

 バージ アル アラブはホテル内の2ヵ所でアフタヌーンティーを提供しており、そのうちの一つが、ロビーラウンジのサン エダー(Sahn Eddar)です。全面に開けたガラス窓は、先ほど見た帆の下の部分になります。

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 バージ アル アラブのもう1ヵ所のアフタヌーンティーは、27階のスカイビュー バー(Skyview Bar)で提供されます。価格は公式ホームページで予約した場合、スカイビュー バーが1人635AED(約19,700円)。窓際席の確約は、テーブル1台につき100AED(約3,100円)が必要になります。サン エダーは1人550AED(約17,000円)で、窓際とその他の区別はありません。いずれもとんでもない価格設定です。われわれはスカイビュー バーのアフタヌーンティーに向かいます。

  

  正面入り口と反対方向へ、フロアを真っ直ぐ進んで行った先に、スカイビュー バーの受け付けカウンターがあります。ここで名前を伝えます。

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 予約時間に合わせて訪れても、テーブルの準備があるからか、すぐには上に上がれません。名前を呼ばれるまで、ソファがあるこの空間で待ちます。写真の左手に写っているエレベーターで上がります。

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 スワロフスキー製のバージ アル アラブの置き物があります。750分の1のサイズです。

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 エレベーターに乗りました。海を見ながら上昇します。下にはバージ アル アラブのプールが見えます。

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流線が目立つ青き空間

 さて、到着しました。27階のスカイビュー バーです。空間全体が薄い水色に染まっています。天井はアトリウムで見たのと同じような波形で、ソファは流線形を描き、直線があまり目に入りません。

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 写真右手が窓際の席になります。われわれが訪れた時間帯は、すべての人が窓際に座っていました。窓際確約の100AEDを払っていない人も、窓際に案内されていたのではないかと思われます。われわれは100AEDを払っていたので、結果として損だった可能性はありますが、この点に関しては運もあるので仕方ないかと思います。 

 

 スカイビュー バーの位置を確認しておきましょう。下の写真を見てください。Cを反転させたような筒状の横長の空間が、建物の上部に設けられているのが分かるかと思います。ここがスカイビュー バーです。地上200メートルで、3方向がガラス窓になっています。

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 案内された窓際の席です。午後1時スタートなら3時までで、座っていられる時間は2時間です。厳密な管理はしていないようで、われわれは2時間を多少オーバーしましたが、退席を求められることはありませんでした。写真が過剰に青っぽく見えるかもしれませんが、加工はしていません。空間全体がこのような色になっています。

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 バージ アル アラブのロゴマークがあしらわれたおしぼり。

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 案内された席から見える景色。すべて海です。船が通った時くらいしか、見るものがありません。

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 横長空間のスカイビュー バーにあって、長辺にあたる側の窓は、このように斜めに取り付けられています。

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 真下を見下ろすと、バージ アル アラブのプールが見えます。

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 スカイビュー バーの短辺側で、北側にあたる窓際のテーブル席からは、このような素晴らしい景色を眺めることができます。ただし、こちらの景観を望めるテーブルは6、7台しかありません。早い者勝ちなのか、特別なリクエストをすれば案内されるのか、確認を取っていないので分かりません。手前に見える三角形の巨大な建物は、バージ アル アラブと同じジュメイラグループのジュメイラ ビーチ ホテルです。

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 メニューを見てみましょう。表紙です。

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 1ページ目には、アフタヌーンティーの歴史が紹介されています。

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 アフタヌーンティーの起源は1840年代初頭の英国にあり、7代目ベッドフォード侯爵夫人のアンナが創始者と考えられています。当時英国では、夜食を食べ始める時間が午後8時半から9時半ごろでした。アンナは夜食前にお腹がすいてしまい、たびたび私室までバターやパンをこっそり運ばせていたといいます。やがて、それが広く知られるようになり、夜食前にケーキやタルト、ビスケットなどを食べることが人気に。そして現在のようなアフタヌーンティーの形ができあがった、といったことが書かれています。ちなみに、KIRIN午後の紅茶のラベルに描かれている夫人は、このアンナです。

 

 アフタヌーンティーシャンパンを付けると有料になるホテルは多くありますが、スカイビュー バーは、メニューに最初から入っています。高いシャンパンに変更すると、そこで料金が発生します。最も高いドンペリは270AED(約8,400円)です。

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 ここから実際のメニューです。

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 飲み物のメニューです。スカイビュー バーは飲み放題で、紅茶やコーヒーなどの種類を変えるのも自由です。

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 飲み物のメニュー2。ブラックティーとホワイトティーに分かれて記載されています。ブラックティーとはいわゆる普通にイメージする色つきの紅茶、ホワイトティーは色がほとんど透明な茶です。

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  煎茶やロンジン茶も用意されています。

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  カプチーノ、カフェラテ、エスプレッソなどのホットドリンク。そして、アフタヌーンティーと言えばホットチョコレート。メニューにあります。

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 アイスコーヒーとフレーバーティー。計8種類あります。

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 ジュースは、オレンジ、パイナップル、スイカ、マンゴーの4種類。ペプシや7UPなどの炭酸飲料もあります。ドバイの飲食店は、どこに行っても、やたら7UPがメニューにあった気がします。ポピュラーなのでしょうか。

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 ティーカップは日本ブランド。「世界一白い」と称されるニッコーのファインボーンチャイナです。われわれが宿泊したアル カスルの部屋にあるカップもファイン ボーン チャイナでした。

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 取り皿も、ニッコーのファインボーンチャイナ

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サンドウィッチはおかわり可能

 まず、シャンパンが運ばれてきます。アップグレードしなければ、フランス産のルイ・ロデレール・ブリュットになります。

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 アルコールを飲めない人はこちら。リンゴ風味のサイダー。豪華に金粉が舞っています。グラスを揺らしながら飲まないと、どんどん沈殿していきます。

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 紅茶ポット。給仕のスタッフによると、バージ アル アラブで用いている紅茶ブランドは、1つに固定しているわけではないそうです。われわれが訪れた時は、いずれも英国のブランドNEWBYとJING Teaを使っているとのことでした。

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 まず1品目、クレメンタイン(小型のオレンジ)とエビのカクテル。お手並み拝見とばかりに一口食べて、びっくり。刻んだキュウリやパプリカが、エビなどと見事に調和していて、7つ星ホテルの実力をのっけから見せられました。

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 2品目、ほうれん草のキッシュ。これも文句なしの美味。ほうれん草の野菜っぽさが、いい意味で消えていて、タルト生地の甘さと絶妙にマッチしています。

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  続いて来ました。バージ アル アラブの帆を模した2段スタンド。

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 上の段。キュウリやスモークサーモン、牛肉などのオープンサンドウィッチ5品が並びます。

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 下の段にも同じサンドウィッチが5品。スモークサーモンのサンドウィッチは、日本のホテルのアフタヌーンティーでも多く出されるようなオーソドックスなものでしたが、その他の4品は見た目からして趣向が凝らされています。でも、奇をてらっているかというとそうではなく、味は洗練の極みです。

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 別角度から。スモークサーモンにはキャビアが乗っています。

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 ちなみに、これら5種のサンドウィッチは、おかわりできます。スタッフがサンドウィッチを乗せたトレーを持って各テーブルを回るので、足りなければもらいましょう。 

 

 サンドウィッチを食べ終わったら、口直しのソルベが運ばれてきます。レモンピールが乗せられており、ほんのりとした酸味が強くもなく弱くもなく絶妙でした。

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 さて、名物が運ばれてきました。バージ アル アラブを模した4段スタンドです。

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 別角度から。

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  一番上の段から見ていきましょう。ここにはスコーンのジャムやクロテッドクリーム4種類が乗っています。そのうちの一つは、ドバイならではのデーツのジャムです。

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 上から2段目。スコーンが4つ並んでいます。

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 上から3段目。スイーツが乗っています。4つで4種類です。1人1種類ずつではないので、全部食べてみたかったら、2人で半分ずつ分けて食べましょう。

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 一番下の段。マフィンが4つあります。

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 追加で、デーツ4粒が乗った皿が運ばれてきます。

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 カフェラテ。二重構造になった耐熱ガラスのコップに入ってきます。

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 アメリカンコーヒー。香り高い味わいでした。スタッフによると、バージ アル アラブでは、ユリウス マインル(Julius Meinl)のコーヒー豆を使っているそうです。ユリウス マインルは、オーストリア・ウィーンで1862年に創業した老舗。ブランド名は、「コーヒー王」と呼ばれた創業者の名前に由来します。

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  BGMの代わりに、ハープの生演奏があります。柔らかい音色が、場の高級感を高めます。

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 座った席と、スカイビュー バーの雰囲気。

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 陸地が見える北側の窓際席。座るなら、やはりこちらがいいです。

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 女性用のお手洗いには、エルメスのハンドクリームが置いてあります。男性側にはありません。

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 レシートです。2人で1,370AED(約42,500円)。恐るべし。

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スコーンやマフィンは持ち帰りOK

 では、退散。エレベーターで下に降ります。

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 われわれは小食なので、全部は食べきれませんでした。スコーン4つ、マフィン4つ、まるまる手を付けていません。スタッフにお願いして、それらを箱詰めしてもらって持ち帰りました。

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 翌日に朝食として食べました。

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 バギーに乗って、アル カスルに帰ります。

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 遠ざかっていくバージ アル アラブ。

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 バージ アル アラブへの連絡橋から撮ったアル ナシーム マディナ ジュメイラ。アル ナシームはマディナ ジュメイラに4つあるホテルで最も新しく、2016年12月にオープンしました。

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 同じく連絡橋から撮ったジュメイラ ビーチホテル。三角形の巨大なついたてのようにも、波のようにも見えます。

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  マディナ ジュメイラの敷地内に帰ってきました。

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20,000円の価値はある?

 バージ アル アラブのアフタヌーンティー、堪能しました。ここのアフタヌーンティーは、始まりから終わりまで、意図した流れがあります。さっぱりした野菜のカクテルから始まり、キッシュ、サンドウィッチへ。間にソルベを挟んで、最後にスコーンとスイーツ、そしてデーツ。3段スタンドを持ってきて、それでおしまい、というアフタヌーンティーではなく、レストランのコース料理のように次々と目の前に置かれたものが変わっていきます。その分、2時間がとても早く感じられました。

 

 構成に目を向けると、スイーツは少なめで、セイボリーに重きが置かれています。サンドウィッチのおかわりもできるので、足りないということはまずないでしょう。午後1時スタートなら、確実に昼食になります。午後4時スタートで、もしその前に昼食でお腹を満たしていたら、とても食べきれないと思います。その意味では、午後1時スタートにした方が、効率的ではあるでしょう。午後4時スタートのメリットは、200メートルの高さから夕日が見られることでしょうか。

 

 ここに行くべきかどうか迷う一番の理由は、その価格だと思います。確かに、いくらなんでも20,000円は高すぎます。公式サイトを利用せず、旅行代理店などに頼むと、おおむね5,000円以上高くなります。二の足を踏むのは当然でしょう。提供される飲食だけで20,000円に見合ったものがあるか、と問われたら、自信を持ってYESとは言えない気がします。

 

 それでも行く価値はあるでしょう。それは、バージ アル アラブという建物そのものを、観光地としてとらえることができるからです。その存在はドバイの象徴の一つで、ホテルという枠を超えています。高さ180メートルを誇る世界一のアトリウムは、ため息が出るほど巨大できらびやかです。

 

 ドバイ有数の観光地への入場料、高さ200メートルの「展望台」からの観覧料、そして7つ星という類のない世界の見聞料や体験料もアフタヌーンティー料金に含まれていると考えれば、20,000円を取られても許せる気はします。

 

 バージ アル アラブに入場することだけを目的とするなら、アフタヌーンティーを選ばない方が安く済みます。公式ホームページによると、スカイビュー バーは午後7時からの利用で、注文しなければならない最低料金が1人370AED(約11,500円)。サン エダーは午後8時からのビバレッジ パッケージ(Bevarage Package)という飲み物パックがあって、こちらは1人250AED(約7,800円)です。

 

男性は革靴が必要? ドレスコードについて

 最後に、アフタヌーンティーでの服装について触れておきたいと思います。女性については、スカート、スマートジーンズにブラウスといったことしか書かれていないので、それほど悩まなくてもいいでしょう。こじゃれたレストランに入れるような格好であれば大丈夫ということです。

 

 問題は男性です。下の画像はスカイビュー バーの公式HPに出ているドレスコードの欄です。赤線を引いたところを見てください。ここで男性の装いは「袖のあるシャツ、フルレングス(足首まで隠れる長さ)のズボン、先が閉じたシューズ」と書かれています。これだけを読むと、タンクトップ、短パン、サンダルを避ければよくて、Tシャツとスニーカーでも大丈夫と思えてしまいます。

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 しかし、予約完了後に送られてくるメールには、違う文言が並びます。下の画像はそのメールの一部です。赤線を引いたところを読むと、「襟のあるシャツ、フルレングスのズボンかスマートジーンズ、先が閉じたシューズ」とあり、最後にダメ押しするように「スポーツシューズは認められません」と付け加えてあります。公式ホームページより、厳しいドレスコードを告知しているのです。

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  襟のないTシャツが不可なのは当然として、一番の問題は、靴の表現が分かれていることでしょう。スポーツシューズがどんなシューズを指すのか、やや曖昧です。色味が派手なランニングシューズもあれば、ジャケットと合わせて違和感がないようなしゃれたスニーカーもあるのです。もしスニーカーで入れないとなると、革靴をスーツケースに入れて持って行かなければなりません。荷物の量が変わってきてしまいます。

 

 私はどうしたらいいか判断がつかなかったので、事前にバージ アル アラブにメールで、自分が履いているレザー製スニーカーを説明し、写真を添付した上で、認められるのか尋ねてみました。しかし、返信はありませんでした。冷たいと言えばそれまでですが、おそらく答えられなかったのでしょう。

 

 つまり、バージ アル アラブとしては、公式見解として、私が履いているような、ややカジュアル寄りのスニーカーは認めたくなかった、でも厳格にやり過ぎたら客離れを招きかねない、だから、無言になるほかない、よって返信できなかった、ということです。

 

 悩んだ末、私は革靴をスーツケースに押し込みました。

 

 結果的に、大正解でした。訪れていた客は大半が西洋系の男女2人組でしたが、男性は全員がきちんとした革靴を履いていました。シャツに関しては、ポロシャツはほぼ皆無で、多くの人がワイシャツを着ていました。つまり、ホテル側にドレスコードについてとやかく言われるまでもなく、7つ星ホテルにふさわしい格好で行くのは当たり前、という考えを客が当たり前のように持っているということです。仮にスニーカーで訪れて入場できたとしても、恥ずかしい思いをしたのは間違いありません。革靴を持って行って良かったと心底思いました。荷物が増えるのを、わずらわしいと思ってはいけません。男性は気を付けましょう。

 

 ちなみに、同じアフタヌーンティーでもロビーラウンジのサン エダーはドレスコードが異なるようです。下の画像はサン エダーの公式HPです。男性はTシャツがOKで、ズボンは短パンも大丈夫と書いてあります。こちらはスカイビュー バーよりゆるい服装で訪れてもよさそうです。

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追記: 厳しくなったドレスコード

  ドレスコードの表記がわれわれの旅行後、変わっていることが分かりました。修正を図る意味で、追記します。(2019年4月21日)

 

 下の写真は、予約完了後にバージ アル アラブから送られてくるメールの一部です。

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 私の旅行時、スカイビュー バーのドレスコードは、アフタヌーンティーは「スマートカジュアル」、ディナーはそれより格式が求められる「スマートエレガント」という表記でした。それが今回、アフタヌーンティーもディナーと同じ「スマートエレガント」に格上げされました(赤線の部分)。

 

 スマートエレガントに変わったことにより、男性のシャツはこれまで「襟付き」でありさえすればよかったのですが、現在は「襟付きのドレスシャツ」という表記に変わっています(青線の部分)。つまり、ポロシャツは不可ということです。

 

 加えて、われわれが旅行時に受け取ったメールには「スポーツシューズは認められません」と念押しするように書かれていたのですが、その表現が消えています。それはスポーツシューズ(=スニーカー)を認めてあげよう、ということではないでしょう。ホテル側はスマートエレガントの服装を求めているのだから、言うまでもなくスポーツシューズなど許されるわけがない、だからあえてダメと書く必要はない、と解釈するのが自然です。

 

 というわけで、男性のドレスコードは、われわれの旅行時より厳しくなっています。スカイビュー バーを訪れる際は、きちんとドレスシャツを身にまとい、レザー製のシューズを履くのが無難でしょう。繰り返しになりますが、われわれが訪れた際は、男性全員がきちんと革靴を履いていました。

 

 もうひとつ、女性のドレスコードの文言にも注目です。ピンク色の線を引いた部分に、こう書かれています。「正直に言えば、女性はどんな服装でも素晴らしい」。

 

 こうした表現は、これまでありませんでした。ウィットに富んでいて、とてもいいと思います。ただ、この表現を真に受けて、Tシャツで行くといったことは絶対に避けましょう。あくまでもこれは、「とんでもなくいい服を着なければならないのか」と思ってしまいそうな女性客の心的負担を減らしてあげよう、というバージ アル アラブ側の気配りです。どんな服装でもいいわけがありません。高級な洋服である必要はありませんが、ドレスコードはあくまでも「スマートエレガント」です。そのことを念頭に服を選びましょう。

 

 

 アフタヌーンティーの翌日は、ドバイ屈指の巨大ウォーターパーク、ワイルド ワディに遊びに行きます。

↓ 下記リンクは旅行記11