書く書く しかじか

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ピピ島 ツアー 美しき海に映画「ザ ビーチ」がもたらしたもの タイ・バンコク、プーケット旅行記 4

 プーケットのオプショナルツアーで、とても人気のあるピピ島へ向かいます。どんな美しい海が待っているでしょうか。※ 2019年12月時点の情報

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VELTRAツアー 1人10,000円

 われわれはVELTRA社のオプショナルツアーに参加しました。同社のいくつか種類があるピピ島関連ツアーのうち、「ピピ島+バンブー島 日帰りツアー」を選びました。このツアーではピピ ドン島、ピピ レイ島、バンブー島の3島を訪れます。朝7時台にホテルを出発し、夕方16~17時に戻ってくるプランです。2人で5,600バーツ、クレジットカード決済で請求額は20,246円でした。1人10,000円といったところです。

 

 出港地はプーケット島中部、東海岸のロイヤル プーケット マリーナです。いくつものスピードボートが停泊しています。

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  待合室です。訪れる島の紹介や注意点、同行カメラマンによる有料写真の案内などがあります。

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 無料の軽食や飲み物が用意されています。

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 船酔いする人には必需品、酔い止め薬もあります。

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 説明を聞き終えた後、船へ向かいます。われわれの参加時、同じ時刻に出発した船は2艘で、それぞれ英語と日本語、英語とロシア語のガイドが同乗しました。必然的に、日本人客は全員が同じ船に乗ることになります。

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 スピードボートに乗り込みました。参加者は20人ほどで、うち半分くらいが日本人、残りが英語圏の人(アメリカ? オーストラリア?)とインド人らでした。参加者は、船の中央から船尾にかけて設けられたコの字型の座席に座ります。

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 最初の目的地、バンブー島まで1時間の船旅です。景色の変化がないため、やや長く感じられます。しかも、この日は風が強くて波が高く、船がとにかく上下に揺れました。途中で気持ち悪くなって、ビニール袋を口に押し当てる参加者もいました。ビニール袋は船に用意してあります。

 

竹が豊富なバンブー島でシュノーケリング

 高い波に揺られ、お尻を何度も座席に打ちつけながら、バンブー島に到着しました。それぞれ目的地に着くと、この写真のように滞在時間と出発時間を紙に書いて説明してくれます。とても対応が丁寧です。

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 この案内の紙を持つタイ人の女性は、われわれが乗った船の日本語ガイドです。「日本語、勉強中で下手です」と謙遜していましたが、しゃべりは滑らかだし、こちらの質問を不自由なく聞き取って返してくれるし、十分な語学力の持ち主でした。どうやって身につけたのか聞きそびれましたが、大変感心しました。

 

 日本人以外のツアー参加者に説明している手前の黒いTシャツの男性が、英語のガイド。彼の英語も滑らかで、語彙が豊富で、レベルの高いものがありました。

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  バンブー島に上陸しました。バンブー島という名前は、島の内部に多く自生する竹(bamboo)に由来するそうです。

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 それほど広くはありませんが、白い砂浜もあります。滞在時間は1時間です。

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 では、マスクを借りて、シュノーケリングをします。

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 これがバンブー島周辺の海の色です。エメラルドグリーンと薄いブルーの中間くらいの色でしょうか。透明度は高く、サンゴが多く生息しています。水深はビーチ周辺であれば、1.5メートルくらいで深くありません。

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 季節や時間帯によって違うのかもしれませんが、魚の数は、それほど多くありませんでした。

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 これはナンヨウブダイでしょうか。

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 バンブー島で見た唯一の大量の群れです。

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 サンゴに群がっていました。

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 バンブー島からは、2キロほどの距離にあるモスキート島が見えます。Mosquito=蚊です。ガイドさんに島の名前の由来を聞いてみると、「蚊が多いから」という予想通りの答え。「タイのどこにでも蚊はいるのでは?」と返すと、「モスキート島は特に多いんです」とのことでした。なにゆえそれほど多いのか、本当に多いのか、よく分かりませんが、いずれにしてもモスキート島は現在、上陸が認められていない島なので、確かめようがありません。

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 シュノーケリングをやらないで、ビーチでのんびりしている人も多くいました。海の先に見える島が次の目的地ピピ ドン島です。バンブー島から5キロほどの距離です。

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ピピ ドン島でビュッフェランチ

 ピピ ドン島に到着しました。6つの島から成るピピ諸島で、唯一の有人の島です。ここでは昼食をとります。

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 赤い三角屋根の建物へ、ビーチを歩いて向かいます。

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 ピピ ナチュラルリゾート。ここのレストランが昼食会場です。

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 ランチは、ビュッフェ形式です。レストランはオープンテラスになっています。

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 パスタ、カレー、野菜、スープ、果物などが用意されています。種類はそれほど多くはありませんが、一通りそろっています。

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 テラス席はオーシャンビューで、気持ちのいい風が吹き抜けます。

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 テラスからの眺め。

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 レストランには猫がいました。リゾートで飼われているようで、スタッフに聞いたところ、名前は「チュー」だそうです。とても毛並みがきれいな猫です。人に慣れているようで、触らせてくれました。

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 椅子の下でお休みモード。

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 ピピ ナチュラルリゾートのプール。レストランのすぐそばにあります。宿泊者ではないので、さすがにツアー参加者で入っている人はいませんでした。

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 昼食を終えて、船に戻ります。白くまぶしい遠浅の砂浜と、ブルーの水平線。今回のツアーで最も美しいと感じた場所でした。

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ピピ ドン島でもシュノーケリング

 次に、船で到着したのは、同じピピ ドン島の別の場所です。ここでもシュノーケリングをします。

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 この辺りの海で最もよく見る魚は、オヤビッチャです。

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 船からエサがまかれると、一気に集まって来ます。

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 目の前がオヤビッチャで埋め尽くされます。

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波打ち際の猿たち 

 次に向かったのは、ピピ ドン島のモンキービーチ。その名の通り、猿が生息しており、ビーチを歩きまわっています。ベルトラ社のツアーでは海から眺めるだけで、ビーチに上陸はしません。

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 猿はこうして波がすぐそこに迫る岩肌にもたくさんいます。これには驚きました。

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 子猿もいます。「猿も木から落ちる」と言いますが、波に足をさらわれるなどして海に落ちることはないのでしょうか。見ていて心配になりました。

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ピピ レイ島のバイキングケーブとピレーラグーンへ

 最後の目的地、ピピ レイ島に向かいます。

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 ピピ レイ島には、バイキング ケーブと呼ばれる洞窟があります。その名の通り、かつて海賊がアジトとしていた場所です。洞窟内には海賊を描いた壁画があるといいますが、立ち入ることはできません。周辺の岩場では高級食材であるツバメの巣の収穫が盛んなのだそうです。ツバメの巣は実際にタイの名産のようで、スワンナプーム国際空港の土産物屋などで多く見かけました。

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 船は、ピレーラグーンと呼ばれる湾内を進みます。両側は切り立った崖で、石灰岩質の岩肌が眼前にそびえ立ちます。

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閉鎖されたマヤベイへ

 ピレーラグーンを出て島をぐるりと回ると、今ツアーのハイライトと言っていいでしょう、マヤベイに到着です。

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 マヤベイを一躍、世界的に有名にしたのは、この人、レオナルド・ディカプリオです。タイタニックの次の出演作となった「ザ・ビーチ」のロケで使われたのが、ピピ レイ島であり、このマヤベイでした。

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 ご覧の通り、無人です。船上から眺めるだけです。マヤベイは観光客が多く押し寄せた影響で環境破壊が進んだとして、タイ政府は2018年6月からビーチへの立ち入り禁止措置を採っています。当初は4カ月の予定でしたが、その後、無期限の延長に切り替えて、今に至っています。

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 100メートルを優に超えるような、巨大な垂直の岩山をすぐ背後に従えたビーチは、世界的に見てもまれなのではないでしょうか。とても面白い地形だと思いました。

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 マヤベイの周辺もピレ―ラグーンと同じように、切り立った崖が連なります。

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 それにしても、ごつごつとした岩肌は迫力があります。

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 マヤベイに上陸できない代わりに、この周辺でもシュノーケリングします。

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 エサを投げて寄ってくるのは、やはりオヤビッチャです。

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 シュノーケリングを終えた後、再び1時間かけて、ロイヤル プーケット マリーナに戻って来ました。

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レオ様きっかけに環境が壊れるという皮肉

 ピピ島ツアーの感想をまとめてみたいと思います。 

 

 まず、海の美しさについてですが、全般的に透明度は十分に高いものがあります。ただ、ため息が出るほど圧倒的かというと、タヒチボラボラ島の海を知る身として、そこまでとは思えませんでした。万人が感動するレベルではないかもしれません。ここは、海そのものを評価するのではなく、奇岩がそびえる島の景観と合わせて見るべき場所ではないかと感じます。

 

 ピピ諸島は、映画ザ・ビーチ抜きには語れません。2000年の公開後、観光客が急増し、平地が少ないピピ ドン島では宿泊施設を建てるために木々の伐採が進んだと言います。マヤベイにいたっては、船が頻繁に往来することでサンゴが破壊されてしまい、ついにはタイ政府によるビーチの閉鎖措置につながりました。

 

 観光が盛んになることで、周辺の環境破壊が進むという例は、世界的に見て珍しいことではないかもしれません。ただし、そのきっかけとなった映画の主役は、今や環境保護活動で広く名を知られるレオ様です。本人に非はないとはいえ、これほどの皮肉はなかなかないでしょう。映画は今もピピ諸島の観光宣伝に使われており、さまざまな国から客を集め続ける役割を果たしているのです。

 

 一帯で受け入れる人数をこのまま維持していくのか、それとも環境負荷を考えて少しずつ減らしていくのか。マヤベイは自然状態の改善が見られたら開放するのか、それとも閉ざしたままにしておくのか。観光収入はタイ、およびプーケットにとって、とても大きなものがあるだけに、今後の動向に注目です。

 

 ツアーの運営に関して言えば、とてもすばらしいものがありました。スタッフはみんな親切ですし、ジョークを多く口にして盛り上げようと努めてくれます。ガイドの語学力は高く、島々を巡るためのスケジュール管理もしっかりしています。船には水やジュース類など飲み物が用意され、帰路ではパイナップルやスイカがデザートで出されました。値段は1万円とまずまずしますが、ホテルからマリーナへの送迎、昼食、シュノーケリングマスクの貸出まで含んでいるので、プーケットにおいては相応ではないかと思います。総じて満足いくツアーでした。

 

 ピピ島については、以上です。

 次ページの旅行記5は、ラグジュアリーリゾートのザ スリンについて、です。

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