ザ・リッツ・カールトン沖縄 アフタヌーンティー 琉球の風に吹かれながら
名護の丘陵地に
ザ・リッツ・カールトン沖縄へ、アフタヌーンティーに出かけます。ここにあるクラシックアフタヌーンティーと琉球アフタヌーンティーの両方に挑戦します。
リッツ沖縄があるのは、沖縄本島中部の名護市です。那覇市中心部から車で1時間ほど、沖縄自動車道の終着点である許田インターチェンジで降りて、そこから10分足らずで着きます。
車で坂道を登っていって、左手に曲がるとリッツの敷地になります。
名護湾の海岸線から1キロほどの丘陵地にリッツ沖縄はあります。喜瀬別邸ホテル&スパを改装し、2012年にザ・リッツ・カールトン沖縄として開業しました。
屋内駐車場は2階フロアにあります。ロビーには、そこからエレベーターで上がります。写真は駐車場からの入り口です。
ロビー。窓やドアは開け放たれています。
ロビー。この部分の右手は柱があるだけで、窓やドアはありません。
正面エントランス。タクシーやプライベートリムジンなどを利用して来られる方は、ここから入ることになるかと思います。
正面エントランスから入ってすぐ右手に、リッツオリジナルのミネラルウォーターやお勧めのランニングコースマップが置かれています。ミネラルウォーターは誰でも持っていって大丈夫そうな雰囲気でしたが、われわれは宿泊者ではないので遠慮しました。
開放的なロビーから外を見てみると、このような感じです。一面に水が張ってあって、建物が水中から浮き上がっているように見えます。屋根には沖縄の赤瓦。この色の瓦で思い浮かべるのは、やはり首里城です。
浮島のようになったテラスもあります。
そこから見える景色。手前にゴルフ場、その先に名護湾、湾を挟んだ向こう側に名護市の市街地が見えます。このゴルフ場については、後述します。
テラスから見える屋外プール。訪問したのは11月初旬。この屋外プールに入れるのは4~10月とのことで、泳いでいる人はいませんでした。プールサイドのビーチベッドには、白人の男女が見えました。ちなみに、11月初旬の沖縄本島の最高気温は、25~28度くらいです。
リッツ沖縄内にあるブティック。沖縄の工芸品や服飾などを扱っています。リッツのブランドロゴがあしらわれた袋入りのクッキーは、手ごろな値段のお土産としていいかもしれません。
ザ・ロビーラウンジへ
さて、アフタヌーンティーへ向かいます。場所は、ザ・ロビーラウンジ。ロビーの突き当たりにあります。ザ・ロビーラウンジという名称は、国内に現在4軒あるリッツ(東京、大阪、京都、沖縄)の全てのレストラン・ラウンジで共通して使われています。
入ってすぐ目の前に置かれているオブジェ。貝なのでしょうか。とても目を引きます。
案内された席。
ザ・ロビーラウンジには、このようなふかふかのソファが置かれています。大小のクッションも多く置かれ、とても居心地がいいです。ただ、テーブルの高さは膝くらいなので、食事をするとなると、前かがみの姿勢になってしまいます。そこはどうしても避けられないソファ席のマイナス面でしょう。テーブルは横幅があってとても大きく、使い勝手はいいのですが、その反面、向かい合って座ると相手がやや遠く感じます。
2人掛けのソファだけでなく、こうした1人掛けのソファを並べた席もあります。
大きな窓は全て開けられ、心地いい風が吹き抜けていきます。さすがは南国の高級リゾート、本当に気持ちいい空間でした。
ザ・ロビーラウンジから見たゴルフ場。すぐ目の前にコースが広がります。名称は、かねひで喜瀬カントリークラブ。沖縄で建設業やアルミ工業などを行っている金秀グループが所有しています。リッツ沖縄の前身である喜瀬別邸の所有者も金秀グループ。リッツ沖縄に変わってからも、建物は金秀グループの会社が所有しています。
リッツ沖縄の宿泊者が、このゴルフ場で安くプレーできる特典はないそうです。ただ、同じ名護市内にある、かねひで喜瀬ビーチパレスという金秀グループ経営のホテルの宿泊者には、特典があるようです。
直線的なコースが多く、ラフは浅めに見えるので、腕に覚えがない人でもプレーしやすそうな印象を受けます。2017年には、ここで日本プロゴルフ選手権が開催されました。優勝者は、地元沖縄出身の宮里優作選手でした。写真左手奥に見える建物は、オキナワマリオットリゾート&スパ。ザ・リッツ・カールトンもマリオットグループのブランドです。
雑誌が何種類か置かれています。
豊富なドリンク&食事メニュー
ここからザ・ロビーラウンジのメニューです。アフタヌーンティー以外の部分も写真とともに紹介します。
デトックス効果があるとされるデトックスウォーターが用意されています。
アフタヌーンティーのページ。リッツ沖縄には、通常のクラシックアフタヌーンティーに加えて、琉球アフタヌーンティーなるものがあります。
ワインやシャンパンのグラス。1杯8,500円という高価なものも。
ウィスキーのページ。
泡盛と焼酎。
ビール。一番手の記載は、やっぱりオリオンビール。
ソフトドリンク。
コーヒー、エスプレッソ、ラテなど。
そして、メニューの1ページを割いて記載されているのが、ぶくぶく茶。沖縄に伝わる振り茶です。
ここから紅茶です。
紅茶その2。
紅茶その3。
紅茶その4。リッツ沖縄のオリジナルブレンドもあります。
紅茶その5。
紅茶その6。
紅茶その7。
紅茶その8。
ここからフードメニュー。ハンバーガーやサンドウィッチ。
フードメニューその2。サラダやステーキ重などがあります。
フードメニューその3。ジーマミー豆腐、ゴーヤチャンプルなど、沖縄の郷土料理が並びます。
フードメニューその4。寿司やイセエビなどが記載されています。
紅茶はTWG
リッツ沖縄のアフタヌーンティーは、飲み放題制ではありません。紅茶とコーヒー類を1人1種類ずつ選ぶタイプです。もちろん、紅茶のおかわりは何度もできます。
リッツ沖縄の紅茶は、シンガポールのTWGです。2008年の創業で歴史は深くありませんが、世界屈指の高級茶葉ブランドとして知られています。茶葉の種類の多さでも有名で、例えば東急プラザ銀座のブティックでは、418種類を扱っています。高級ホテルでの採用も増えていると思われ、個人的な体験で言いますと、セントレジス・バリの客室に備えられた紅茶のティーバッグがTWGでした。
リッツ沖縄では紅茶を選ぶ際、茶葉の香りをかぐことができます。リッツ沖縄のメニューに記載されている茶葉は23種類。そのうち、18種類がトレーにありました。残る5種類の香りも、スタッフに頼めば試すことはできるでしょう。
紅茶のカップは、フランスのレイノー。
レイノーのカップ。水色の細い線が何本も引かれたデザインです。
紅茶ポットはTWGのオリジナル。
「クラシック」と「琉球」、2種類に挑戦
さて、ここからアフタヌーンティーのスイーツとセイボリーです。リッツ沖縄にあるクラシックアフタヌーンティーと琉球アフタヌーンティーの両方を注文してみました。まずはクラシックアフタヌーンティーから。金色の2つのリングで挟まれた3段トレーになっています。リングの上部には、ライオンと王冠から成るリッツのロゴが据え付けられています。
3段トレーの一番上。スコーンは2種類というアフタヌーンティーが多い中で、3種類(真ん中から右にかけて)あるのが特徴的です。真ん中は写真でリッツロゴとかぶっていますが、沖縄特産の紅芋を使ったスコーンです。
3段トレーの2段目。ここにも紅芋を使ったスイーツがあります。
3段トレーの1番下。右端のサンドウィッチ、挟んであるのはたまごなのですが、きゅうりが周りに巻いてあるのが分かるかと思います。とても変わった作りです。上にはトリュフが乗っています。たまごサンドとトリュフの相性の良さを食べて実感しました。
加えてもう1皿、さっぱりしたフルーツのジュレ。食後の口直しに最適です。
スコーンのジャムは、タンカン、シークヮーサー、ベリー、はちみつの4種類。1人2種類選べるので、2人で行けば、全てを味わうことができます。スタッフが目の前で取り皿に入れてくれます。
手前右から時計回りに、ベリー、シークヮーサー、タンカン、はちみつ。個人的には、タンカンが気に入りました。タンカンは南国の果物で、日本だと屋久島以南で栽培されているらしいです。ご存知の通り、シークヮーサーも沖縄特産の柑橘類。リッツ沖縄ならではの取り揃えと言えるでしょう。
さて、ここから琉球アフタヌーンティー。料理は木箱に収められています。
木箱のてっぺんに乗せられているのは、スコーンとフィナンシェ。クラシックアフタヌーンティーと違い、こちらのスコーンは2種類。手前左手が紅芋のスコーン、右手はウコンのスコーンです。ウコンは近年、エキスドリンクでよく知られた存在になっていますが、沖縄では琉球王国時代から盛んに栽培されていたようです。ウコンのスコーンは、薬味っぽい香りがほのかに漂い、独特の味わいがありました。
木箱の真ん中。スプーンに乗せられたスイーツは、クラシックアフタヌーンティーと共通のものです。
木箱の一番下。串に刺した豚肉などの料理に加えて、沖縄そばの小鉢があるのが特徴的かと思います。アフタヌーンティーと、そばの組み合わせは、なかなか踏み込んでいる印象です。
そして、琉球アフタヌーンティーではもう1つ、特徴的な飲み物が出てきます。それは、ぶくぶく茶。沖縄の伝統的な振り茶です。煎った米を煮出した米湯と番茶を混ぜて、茶筅で泡だてます。その泡をさんぴん茶の上に盛って、泡の上に砕いた落花生を振りかけて出来上がり。泡が発する米の香りと、さんぴん茶のジャスミンの香りが鼻先で混じり合い、不思議な香ばしさが広がります。これは、本土ではなかなか味わえません。琉球アフタヌーンティーならではの貴重な体験と言えるでしょう。
食べ終わって、最後にコーヒーを持ってきてもらいました。
カフェラテも。
「クラシック」か「琉球」か
ごちそうさまでした。リッツ沖縄のクラシックアフタヌーンティー、および琉球アフタヌーンティー、堪能しました。
ここのアフタヌーンティーは、沖縄食材をうまくメニューに利用していることが特徴かと思います。スイーツにマッチしています。そして、広々としたソファ、名護湾を望む景観、柔らかな風が吹き抜ける空間も素晴らしいものがあります。高級ホテルのアフタヌーンティーは、その格式の高さで、多少の緊張感を強いられることもあろうかと思いますが、ここではそれがいい意味で一切ありませんでした。これほどくつろげるアフタヌーンティーは、なかなかないような気がします。入店から2時間で退出を迫られるホテルがありますが、ここにはそれもありません。TWGの紅茶の質は、言うまでもなく高いものがあり、とにかくリラックスした状態で、飲食を楽しむことができました。
クラシックと琉球のアフタヌーンティーは、値段に関しては同じです。しかし、メニューを比べてみると、琉球の方がスイーツやセイボリーがかなり少なめです。写真を見ていただいたら、一目瞭然かと思います。その違いはどこから来るのかと言うと、琉球は食事の分量が少ない分、ぶくぶく茶が付いています。単品で注文すると1,450円です。
これをどうとらえるか。なかなか味わう機会がないぶくぶく茶に価値を見いだせる人はいいのですが、そうでない人は、単純に「食べるものはこれだけ?」と感じてしまうかもしれません。甘いものも少なめで、どちらかと言うと、食事としての色合いが濃いような気がします。その意味で、どちらか1つだけを選ぶとしたら、クラシックにした方が無難ではないかと思います。われわれのように、興味本位で味わってみたいという方は、2人以上で訪れて、両方を注文されるのがいいのではないでしょうか。2種類のアフタヌーンティーを用意しているホテルはそれほど多くないので、悪くない選択だと思います。
琉球アフタヌーンティーを注文する際は、注意点があります。スタッフの方いわく、琉球は数が限られているそうで、予約の段階で伝えておくのがベターとのことです。現地を訪れて、いざ注文の段階でできないという事態は避けたいものです。きちんと予約する際に伝えておいた方がいいかと思います。
ザ・リッツ・カールトン東京、ザ・リッツ・カールトン京都のアフタヌーンティー等に関する記事へのリンクは以下。